2017年 09月 13日
言葉の伝わり方(3)池袋駅にて |
夏は去りつつありますが、ある夏の日の思い出。ある地方に住んでいた数年間、夏休みには
先に東京で就職した従姉に甘えてアパートに泊めてもらっていた。昼間は用事があって、寝るだけでしたので。ある施設を見学させてもらうことをそこに勤務していた知人と約束して、上京しました。
お世話になっていた先生の中の一人のご実家は東京。お子さん2名連れて帰省中でした。その先生も一緒に見学したいということで、電話で話しました。田舎者の私を気遣って、「新宿駅は大きいので、池袋の駅で”降りたところで”合流しましょう」、とのこと。傍に座っていた従姉は、「池袋駅はわかりにくくて、地元の人さえも待ち合わせには使わない」と懸念していました。従妹のアパートは中央線沿線でしたので、新宿駅のほうがなじみがありました。先生のご自宅は小田急線沿線でお互い新宿駅の方が好都合のはず。内心?と感じながら、池袋駅へ向かいました。そして”降りたところ”、そうです、ホームで待っていました。
待てど暮らせど待ち人は現れない。仕方なく、一人で約束の施設へ行きました。晩に帰宅して、
電話で連絡して、先生は、降りたところ、「”池袋駅の中央口”の改札口で待っていましたよ、一人でその施設へ行ってみましたが、広過ぎて探せなかった(心の声:当然のことですよ、一人で行かれるほうがおかしい)ので戻ってきました」。
その後、何年も何年も、新宿駅を通るごとに”中央口ならそう言ってくれればよかったの
に。池袋駅に出口がいくつあるかもわからない私には、まさか中央口で待っておられるとは想像もできません”と、ご一緒できなかった残念さが甦るのです。でも責めることなく、笑うしかなかった。
教訓1)頭のいい人ほどぬけている。ペースに乗せられてばかりでは、珍道中になってしまう。鷹揚である。反省しない。予防策が必要である。付き合って、面白いけれど、実害を覚悟。
教訓2)「AAA]という言葉を聞いてCさんとDさんは全く別のことをイメージすることがある。"降りたところ”という言葉である人は、中央口の改札口を思い浮かべ、ある人はホームを連想するのです。
新宿駅が大きすぎると心配してくれるなら「池袋の中央口の改札口」などの一言が欲しかった。皆かなり身勝手ですね。そういえば従妹は、「電車の進行方向の前側」とか”後ろの方”とか細かく指示してくれていた。こちらが、前のほうですか、後ろのほうですか、と訊けばよかったのかも。あるいは、新宿駅の方が都合良くないですか、との一言でも。
かくして、”友達は信頼できない”とか人生相談や掲示板が繁盛するわけですが、 ”その人にそういう言動をさせたのは、自分にもちょっと何かあったのかな”と立ち止まれれば気分も楽になるかも。
携帯電話が普及していない時代のことでした。
先生お元気ですか。
by ekaigo
| 2017-09-13 20:02
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